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STORY

 

【あらすじ】

 

 映画大学に通う「等」は身体は男性でありながら、心の性は男女どっちつかずの、あやふやな状態。髪を長く伸ばし、ピンク色を好み、後輩の男の子に想いを寄せている。

 一方、父「一郎」は、社会的に認められた映画監督であり、大学教授も務める権威ある存在だ。

 

 「一郎」はそんな「等」の男らしくない部分を忌み嫌い、「一人前の息子」として成長させようと厳しく接する。自分の大学に「等」を通わせ、ゼミにも参加させ、公私ともに自分の言うことを聞かせていた。「等」は「一郎」の抑圧を受けながらもその大きさに守られながら生きていた。

 

 ある日、「一郎」の元妻で「等」の実母である「由美」が自殺する。そして「等」の姉「美世子」が父子の前に8年ぶりに現れる。

 心を病んだ母を8年に渡り介護してきた「美世子」は、弟である「等」に“あること”を思い出させようとしていた。それは、「一郎」が日常的に行っていた妻へのレイプと、面倒なことを女に押し付ける父の弱さと無責任さだった……。

 

 「守られ」「愛され」「奪われ」「犯され」る人間と、「守り」「愛し」「奪い」「犯し」てしまう人間の業。

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